會田瑞樹の音楽歳時記

打楽器奏者、會田瑞樹の綴る「現代の」音楽のあれこれ。

明日開催:19時杉並公会堂小ホール「會田瑞樹ヴィブラフォンリサイタル」

 旅するヴィブラフォンと題しての、リサイタル。ご来場を心からお待ちしております。全曲の聞きどころをご紹介です。

 

 八村義夫(1938-1985)作曲《Dolcissima mia vita》今年生誕80年を迎える氏の最初で最後の打楽器独奏作品。ジェズアルドの同名マドリガルの旋律を変容させ金属打楽器群とF音を基軸に様々な音が無残に飛び散り、官能的に優しく収束する。  

 金子仁美作曲《分子の香り −3Dモデルによる音楽II−》世界初演。ワイン好きの會田瑞樹にとってはたまらない題材を用いた「香る音楽」アントシアニンの分子構造を音楽に再変換して漂うヴィブラフォンの音色に包まれる。  

 中川俊郎作曲《影法師 Ⅱ. ヴィブラフォンマリンバ(独りの奏者による)のための》世界初演西洋音楽のあらゆる語法を駆使しながら生み出す諧謔と諦観。干からびた絶望が発酵してすえた臭いを放つような異様さがある。  

 K.シュトックハウゼン(1928-2007)《ヴィブラ・エルーファ》生誕90年となる現代音楽の開祖とも言うべき氏の唯一のヴィブラフォン独奏曲。エルとルファの二人による二重奏がヴィブラフォン一台で軽妙洒脱に描かれる。  

 佐原詩音作曲《玉蟲の翅、その結び》パリで初演し今回が日本初演。古代から伝わる玉虫色のイメージをヴィブラフォンと重ね合わせて様々な楽句が飛び交い、羽音のように滑らかに広がる。優美さと激しさを伴う叙情的なラプソディ。  

 間宮芳生作曲《ヴィブラフォンマリンバのための音楽》2017年委嘱作品。間宮先生への委嘱は悲願の一つだった。ユーモアと遥かなる美しさを湛えた5つの小品が織り成す音楽の花束。それらが一体となった時大きな願いが成就する作品。  

 末吉保雄作曲(1937-2018)《西へ》アメリカで生まれたヴィブラフォンはさらにその西、日本で新たな文化として展開することを夢見るだろう…2013年、当時大学院生だった會田瑞樹へ末吉先生からの激励。  

 権代敦彦作曲《Sæwol 〜海から〜》"Sea"と"Soul"即ち「魂は海から生まれ、海に帰る。」ヴィブラフォン弦楽合奏が織りなす波の色彩と波動。魂が最後に行き着く場所に向かって。須田陽指揮・甲斐史子コンサートマスター、精鋭が揃う。

 

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