會田瑞樹の音楽歳時記

打楽器奏者、會田瑞樹の綴る「現代の」音楽のあれこれ。

《告知》3月5日(日)朝8:10よりNHK-FM「現代の音楽」

 昨年12月に開催された日本現代音楽協会主催「ジェルジ・リゲティ没後10年によせて」がNHK-FM現代の音楽」で二週に渡って放送される。會田は《アヴァンチュール》《ヌーヴェル・アヴァンチュール》に参加しており、5日は《アヴァンチュール》が放送される。この2曲は演出入りで演奏したのだが、ラジオだとどんな風に伝わるのか個人的に興味津々。

 《アヴァンチュール》という強烈なタイトルはなにか深い意味があるのかと思っていたのだけれど、「言葉の響きが良かったから」名付けたという話を曲目解説で読み、ますますリゲティという人に興味を抱いた。稽古中にはこの楽譜のある部分が八村義夫氏の作品《一息ごとに一時間》と重なり合う部分があり、中川俊郎先生と大いに盛り上がったりした。冒頭のピアノの内部奏法を新垣隆さんと僕で担当したことも、中川先生はやたらとツボに入ったらしかった。ずっと笑っていた。それがなんだか嬉しかった。


 「なぜ現代音楽を演奏しているのですか?」と質問を受ける事が以前あった。
 「現代」という線引きはなかなか難しい。数十年前の音楽書は「バルトーク」以降はすべて現代の音楽だと著述しているものも少なくはないのだから。

 学生時代、「會田は朝から八村義夫とか聴いているんでしょう?」と言われた時には思わず苦笑いしたものだった。「彼の曲は朝聴くような曲じゃない。それよりも(その当時流行っていた)AKB48の《Beginner》は良い曲だね。」などと返答すると、向こうが困惑する事もしばしばあった。

 僕にとっては、八村義夫リゲティも、AKB48やつい最近買ったオザケンも同じ線上にあると思うし、音楽の多彩な側面をそこに感じている。それでは、日曜朝8時10分にNHK-FMでお目、いやお耳ににかかりましょう。

 

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