會田瑞樹の音楽歳時記

打楽器奏者、會田瑞樹の綴る「現代の」音楽のあれこれ。

食べることが三度の飯より好き:三食め「パクチー」

 「パクチーを入れますか?」  
 最近アジア料理のお店に行くと、必ず聞かれるようになった。  
 健康を謳う人たちには随分馴染みの素材になったらしい。  
 僕はといえば、小学校時代、東京観光の折に母親お墨付きのタイ料理屋に連れて行かれ、パクチー豊富な様々な料理を口にしたのが始まり。嫌な感じはしなかったが今まで食べたことのない味だなと思った。  
 これも歳をとればとるほどで、例えば脂っこいブダバラ肉を炒めつつ、パクチーを最後に加えると、絶妙に脂身のくどさが抜けて、ああ、これはいい薬草だなと思うようになった。以来、欠かせない好物だ。    

 香りの強い野菜といえば、エゴマや大葉も。  特にエゴマは、韓国はチェジュ島での滞在が忘れられない。エゴマ白身の刺身、青唐辛子、生にんにく、辛味噌、キムチ、お好みでお米を乗せて、包み、頬張る。何回マシソヨと言ったかわからない。この要領でサムギョプサルもいく。香りが強く、日本で取れるものとはサイズが二倍以上のエゴマの葉はサンチュよりも滋味あふれ、力がみなぎってくる。  

 かつて仙台にあったあの店。 僕はえびせんが好きで(実にジャンキーな食べ物だが、あの食感はくせになる)海鮮焼きそばや、ピータン豆腐サラダとか、イカ団子だとか、手羽先の唐揚げとか、活気ある力強い屋台の空気を醸し出していた。連日の行列。たちどころに人気店となり、ランチでは旨味溢れるスープと縮れ麺のチャーシューワンタン麺をよく食べた。

 パクチーを食べるとふと思い出す。