會田瑞樹の音楽歳時記

打楽器奏者、會田瑞樹の綴る「現代の」音楽のあれこれ。

ヴィブラフォンのあるところ

 「ヴィブラフォンのあるところ」が発売から早くも一ヶ月が経った。多くの方々から様々な反応を頂き、心から感謝の思いでいっぱいである。どんな風にヴィブラフォンの音色が皆様に響いているか、僕自身もそれを想像しながらわくわくしている。ご興味を持たれたら、是非演奏会で生のサウンドも体感して頂けたらと心から思う。演奏会独特の呼吸感から微細な震えを伴う音色の綾を是非聞きにきて頂きたいと思っている。

 

 発売後すぐに、音楽プロデューサーである平井洋さんが小生のアルバムを聴いて頂いていることを記事で目にし、とても嬉しく思った。仕事中の張りつめた空気感の中に「ヴィブラフォンのあるところ」が広がってくれる事が目に浮かんだ。さらに音楽学者である丘山万里子先生率いる「Mercure des arts」の今月の一枚に選出され、丘山先生自らのレビューには心躍った。丘山先生は小生も敬愛する作曲家八村義夫氏の論考を発表しており、何度も読んでいた。八村氏の作品への言葉を中心に、彼の目指す音の向きを炙り出すこの著作は、現在ネット上で公開されており、是非ご一読頂けたらと思う。

 また音楽雑誌では、レコード芸術において「特選盤」を頂いた。これは全ての作曲家の皆様に心からの感謝の思いであった。その他にも朝日新聞 for your collection では、片山杜秀先生による打楽器音楽への無限の可能性を、氏独特の語り口で執筆してくださり、尊敬する打楽器奏者の方々と共にご紹介頂けた事も身の引き締まる思いであった。

 さらに先頃発売された雑誌「一個人」においても、小沼純一先生による打楽器音楽へのあたたかな眼差しを書かれた「今月の三枚」での紹介、ぶらあぼの新譜紹介をはじめ、作曲家野村誠さんのブログ打楽器奏者新倉壮朗さんブログではタワーレコードでのレコ発ライブの模様を書いて頂いた。いずれも何か心に残るものがあれば、奏者としてこの上ない喜びである。タワーレコード渋谷・新宿店では小生がポップを書かせて頂き、仙台パルコ店、山野楽器仙台店にも近日ポップが置かれる予定となっている。
 また、小生も記事を寄稿した事もある音楽現代においても、推薦盤の評を頂いた。感謝の思いである。

 アルバム発売と同時に、多くのところから小生のインタビュー記事が掲載された雑誌「洪水」の最終号となる第20号では、編集長池田康さんに陰翳に富んだインタビューをしていただいた。
 また故郷仙台では、仙台吹奏楽団常任指揮者の畠山渉さんとCheer upみやぎ編集長三嶋令子さんとの鼎談によるロングインタビュー記事が掲載された。仙台の話や吹奏楽の体験を含めた、これまでにないものとなった。
 吹奏楽情報ページ「WindBandPress」においては、編集長梅本さんとの対談による『「現代音楽」という言葉の響きの硬さを取り払いたい』を発表した。僕自身の音楽体験をもとに、少しでも多くの方に興味を持ってもらえばと願ってのインタビューとなった。

 今後も多くの方にディスクを手に取ってもらえたらと思う。
 そして、今。僕の中で小さな、様々なものがまたうごめいて、集積しつつある。出来る限り早く、皆様のお手元に届くように準備しようと思っている。